JUPAS OEA完全攻略|2026年 Other Experiences and Achievements 記入法・加点大学・書き方のコツ
DSEの成績が合否の核であることに変わりはありませんが、同じ点数のライバルが並ぶ定員争いでは、OEA(Other Experiences and Achievements in Competitions / Activities)が合否を分けることが少なくありません。本記事は2026年度入学申請を対象に、OEAの入力ルール、分類ロジック、証明書類の抜き打ちチェック、各大学の実態としての評価ウェイト、そして具体的な書き分け戦略までを一気に整理します。
一、OEAとは何か ― なぜ手を抜けないのか
OEAはJUPAS申請システム内の独立モジュールで、9つの参加大学(HKU、CUHK、HKUST、PolyU、CityU、HKBU、LingnanU、EdUHK、HKMU)およびSSSDPの自資課程校に対して、学科成績以外のエビデンスを伝えるための仕組みです。競技会、課外活動、ボランティア、芸術公演、リーダーシップ訓練、宗教・德育活動などが含まれます。
制度上は「任意提出」ですが、実務では次のような意味を持ちます。
- 医学・法律・グローバルビジネス・工学エリートプログラムなど人気専攻の多くは、面接候補者の選定や最終選考にOEAを重視する
- 各大学は通常、最大5%までの非学術配点枠を持ち、OEAとSLP(Student Learning Profile)が最終合否スコアに影響する
- 同じカットオフ付近に複数の受験生が並んだ時、OEAが天国と地獄を分ける
ひとことで言えば、OEAは基本的に「得点を底上げする」ものではなく、「ボーダーライン上で拾われるか・落ちるかを左右する」存在です。
二、2026年 重要スケジュール
以下の締切日は、OEAを埋めることと同じくらい重要です。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2025年9月下旬 | JUPASアカウント開設、OEAドラフト作成開始 |
| 2025年12月上旬 | 全項目ドラフト完成、教員チェックの余裕を確保 |
| 2026年1月2日 午後5時 | OEA最終提出期限(証明書類アップロードの締切も同じ) |
| 2026年5月27日 午後5時 | SLP(学校から提出)期限 |
| 2026年7月10日 | 校長推薦計劃・優先取録の発表 |
| 2026年8月5日 | 正式录取(正式合否)発表 |
締切の1秒過ぎてもシステムは受け付けません。最終日の通信混雑や、ファイルサイズが1MBを超えて失敗するケースが毎年発生します。12月31日までに提出完了、というのが鉄則です。
三、記入できる件数と分類ルール
上限:10項目+補足500字
JUPASでは最大10項目の活動・競技を入力でき、さらに500字以内の補足情報(Supplementary Information)を追加できます。補足欄は10項目に収まりきらない事情を伝えるためのもので、長期にわたる家庭の介護役割、複数年にまたがる研究プロジェクト、学際的な協働プロジェクトなどを説明するのに適しています。
8つのカテゴリー ― 最初に決める、途中で変更不可
各項目は以下の8つのカテゴリーのいずれかに必ず振り分けます。
- Academic 学術(STEM競技・オリンピック・研究プロジェクトなど)
- Arts 芸術(音楽・舞踊・演劇・視覚芸術)
- Career-related キャリア関連(インターンシップ・企業体験・模擬面接など)
- Community Service コミュニティサービス(ボランティア・地域協働)
- Leadership リーダーシップ訓練(生徒会・社制・研修キャンプなど)
- Moral / Civic Education 德育・公民教育(人格教育・公民活動)
- Religious 宗教(教会奉仕・宗教研修)
- Sports スポーツ(校隊・地区代表・ナショナル代表)
戦略メモ:10項目を1つのカテゴリーに偏らせないこと。医学部志望なら学術系比率を上げつつも、リーダーシップや社会貢献の要素を1〜2項目残す。工学・IT志望ならSTEM系を上位に並べるのが基本です。
四、9つの入力フィールド ― すべてが評価の対象
各項目で埋めなければならないのは以下の9項目です。
- 活動名称:システムの候補から選ぶ(信頼度が上がる)か、自分で入力
- カテゴリー(上記8つから1つ)
- 参加年
- モード:By Competition(競技性)または By Participation(参加性)
- 活動性質:モードに応じて変化
- 役割(5分類):
- 選手/メンバー/参加者/出演者
- 観覧者/アシスタント/研修生
- 主催者/審査員/リーダー/審判/コーチ
- 委員/運営スタッフ
- 発表者/講演者
- 受賞の有無(Award-bearing / Non-award-bearing)
- 賞のレベル:ChampionからSuccessまで全26段階(金・銀・銅・優秀賞・入選・参加など)
- 説明文:40字以内(中文・英文どちらでも可)
40字は短く見えますが、ここを最も無駄にしがちです。活動名を復唱するのではなく、「この経験がなぜ志望専攻に関係するのか」を一文で示す場所です。
五、証明書類のランダムチェック(Pink Highlight)
システムがランダムに抽出する
提出直後、システムがいくつかの項目をピンク色のハイライトで表示します。これは「指定された項目は1月2日までに証明書・証明書類をアップロードしなければ、自動的にOEAとして無効になる」という意味です。
ハイライトされなかった項目もアップロード不要ですが、大学側が追加で照会する権利は残ります。10項目すべてについて原本と電子ファイルを保管しておくのが安全です。
アップロード可能なファイル
- 形式:PDF、JPG、JPEG、PNG、各ファイル1MB以内
- 必須記載事項:申請者氏名(または拼音/英名)、活動正式名称、年、賞区分
- 鮮明な画像で、反射・ぼやけ・切れがないこと
受理されないファイル
毎年もっとも多くの項目が無効になる原因:
- 選手登録カード、招待状、欠席届
- 申請者氏名が記載されていない証明書(団体受賞で特に多い)
- 新聞記事、宣伝チラシ
- ウェブのランキング画面のスクリーンショット(検証不可)
- 画像編集ソフトで加工されたスキャン
団体受賞で個人証明書がない場合は、主催機関に「あなたの役割・貢献」を明記した認証レターを発行してもらいましょう。
六、26段階の賞分類の読み替え方
JUPASは賞を上位から26段階に整理しており、代表的なものは以下の通りです。
- 1st Place / Champion / Gold Award
- 2nd Place / 1st Runner-up / Silver Award
- 3rd Place / 2nd Runner-up / Bronze Award
- High Distinction / Distinction
- Merit / Honourable Mention
- Finalist
- Participation / Success
大学側は通常、この26段階を自校の3〜5段階の内部クラス(金・銀・銅・入選・参加など)に圧縮し、競技レベル(国際/全国/香港全域/地区/校際)を掛け合わせます。同じ「Champion」でも、全港大会と校内大会では実効ウェイトが5倍以上異なることがあります。
鉄則:国際・全国レベルが書けるなら、校内レベルは書かない。レベルの高い大会での参加は、レベルは低いが受賞した経験より評価されやすい、ということです。
七、各大学のOEA評価 ― ウェイトの実態
9校すべてがOEAを受け取りますが、使い方はさまざまです。以下は2026年度申請時点の一般的な傾向です。
HKU(香港大学)
- 全学部がOEAを閲覧し、面接候補者選定の参考にする
- 医学(MBBS)・歯学・法律・环球商业管理(BBA IBGM)など高競争コースでは、OEAが面接候補抽出に占める比重が大きい
- 多くの課程で最大5%の非学術配点を許容
CUHK(中文大学)
- 主にカットオフ付近の選考でOEAを考慮
- 医学院・环球商业・量化金融などは面接必須で、面接前にOEAを精読
- JUPASマイページで「Top 3 OEA」の記入を求められる
HKUST(科技大学)
- 工学院・理学院はSTEM系OEAを特に重視
- 2026年度から工学部の一部課程で新しい科目加重(1.25〜2.5)が導入されているが、OEAも独立した審査軸として残される
- 商学院の环球商业・計量金融は、OEAで面接候補者を決定
PolyU(理工大学)
- デザイン・ホテルマネジメント・看護など、関連OEAの影響が大きい
- デザイン学部はポートフォリオ提出を別途求め、OEAと併用
CityU(城市大学)
- 学科主導:法律・獣医・計算機科学などが関連OEAを優先的に確認
- 多くの課程で「非学術5%上限」の加算方式
HKBU(浸会大学)・LingnanU(嶺南大学)・EdUHK(教育大学)
- 面接や「全人評価」におけるOEAの比重が比較的高い
- 教育大学は教育関連サービス(学習支援ボランティア・青少年活動など)を特に重視
HKMU(都会大学)
- 多くの課程では補助的な扱いだが、看護・社工系ではOEAが鍵になる
八、書き分け戦略 ― 40字と500字を最大化する
1. 具体的に、抽象語は捨てる
「視野を広げた」「人間関係が向上した」では何も伝わりません。
RoboMaster全国大会で視覚アルゴリズム班長を務め、認識精度を78%から92%に向上。技術報告書を執筆。
具体動詞、定量成果、技術的詳細が形容詞より信頼されます。
2. 役割を盛らない
毎年「メンバー」を「主催者」と書いて、面接で「予算はいくらかけた?」と詰まる人がいます。OEAの真偽は面接で必ず検証されるため、虚偽のコストは非常に大きいです。
3. テーマの一貫性
10項目には一本のストーリーを持たせたい。例:医学志望の場合 研究受賞 → 急救資格 → 高齢者施設ボランティア → 医療科普活動 → 病院インターンシップ。 読み終わった審査員が「この学生は臨床医を本気で目指している」と納得できる並び順にします。
4. 500字補足で断片を一本の線にする
補足欄は「活動の繰り返し」ではなく「自伝的エッセイ」です。
- どんな背景がその専攻への興味を育てたのか
- どのOEA経験が将来の進路を明確にしたのか
- その分野で今いちばん関心を持っている問題や動向は何か
10項目を一つの物語としてつなぐことこそが、OEAの効果を最大化します。
5. 段階的なタイムマネジメント
- 9月:過去3〜6年の活動をすべて棚卸し
- 10月:物語として最も強い10項目を選別
- 11月:9フィールドに草稿を入力
- 12月上旬:教員や先輩に添削を依頼、最低3ラウンド
- 12月中旬:証明書の電子ファイルをアップロード
- 12月31日まで:本提出を完了(最終日の混雑回避)
九、よくある落とし穴と仕組みの注意点
- 一度提出しても締切前なら再修正可能だが、修正のたびにピンクハイライトは再抽選され、証明書の再アップロードが必要になる
- 複数年にまたがる活動は「最後の最高レベル」を一つだけ記載し、年ごとに分けて10枠を浪費しない
- 校内授業の宿題や必修サービス時間(OLEなど)は、それ単体ではOEAの良い題材になりにくい。外部認証がある場合のみ価値が出る
- オンライン形式の国際大会は、申込控え・ランキング画面を残し、主催機関に認証レターを依頼
- 学校外の活動(私的な音楽試験、フィットネス競技)も申告可能で、独立機関の証明書が必要
十、内地(中国大陸)受験生・非ローカル申請者へのアドバイス
JUPASはDSE受験資格を持つ内地・海外考生も応募できます。非ローカルにとってOEAは特に重要です。
- 校長推薦計劃(Principal’s Recommendation)は通常ローカル校が中心で、非ローカルはその配点を得にくい
- 大学側はOEAを通じて、母語環境でのリーダー経験・社会参加・英語以外の能力(普通话スピーチ・数学オリンピックなど)を確認したい
- 全国レベルの競技(華羅庚金杯・希望杯・全国ロボットコンテストなど)は公式証明書を英文に翻訳し、原紙のスキャンとともに提出
- 内地生にとって、SLPに相当するものを持たない分、500字補足欄を最大限活用すべき
おわりに ― OEAは、あなたの「DSEの数字の外側にある物語」
OEAは飾りではなく、あなたの6年間を展示する小さなキュレーション・スペースです。審査員が見たいのは「いくつ勝ったか」ではなく「なぜこの学科を志望するのか」という人物像です。10項目+500字を600字の小さな自伝として書ききり、1月2日午後5時のSubmitボタンには「自分が署名できる完成版」を置いてください。
最初の一歩:今日、JUPAS公式サイトにログインし、過去3年の受賞歴・参加活動・証明書をすべて書き出してから、あなたの物語を最もよく語る10件を選び抜くこと。OEAの勝敗は、棚卸しから始まります。
参考資料:JUPAS公式申請者ハンドブック、JUPAS OEA FAQ、学友社学生輔導顧問による執筆指南、9大学JUPAS招生ページ(HKU、CUHK、HKUST、PolyU、CityU、HKBU、LingnanU、EdUHK、HKMU)。